文学の中に登場するスープたち(3) 大草原の小さな家

『大草原の小さな家-ローラ・インガルス一家の物語-シルバー・レイクの岸辺で』より
かきのスープ(Oyster Soup)

最初に出たのは、かきのスープだった。ローラは、こんなにおいしいものは、生まれてはじめてだった。いい香りの海の味のする熱いミルクのスープに、とけたクリームの金色の点々と、こしょうの黒い粒々が浮かんでいて、ちっちゃな黒い缶詰めのかきが底に沈んでいる。ローラは、おいしい味ができるだけ長く舌の上に残っているように、ゆっくり、少しずつスプーンからスープをすすった。
　おまけに、スープには小さなまるいオイスタークラッカーまで そえてあった。まるでままごとのクラッカーみたいに、とっても小さくて軽かったから、よけいおいしかった。

（本間千枝子・こだまともこ共訳）